概要
「ごく微量のウイルスや病気の原因物質を見つける超高感度センサー」を作るための、光を集めるパワーが強く、しかも好きな色の光に合わせやすい新しいデバイス構造
ポイント
ナノサイズの金属は「光の虫眼鏡」になる
金属をナノサイズ(1ミリの100万分の1)の粒にすると、光(電磁波)が当たったときに電子が集団で揺れ動きます(これをプラズモンと呼びます)。すると、粒のすぐ周りにものすごく強い光のエネルギーがギュッと凝縮されます。これを使うと、わずかな生体分子(DNAや抗原など)をレーザーで照らして見つけやすくなります。
内容
金属ナノ粒子は、そのごく近傍にある局所電磁場を強く増強する能力を持っています。このような電磁場の増強は生体分子の検出において極めて重要であり、表面プラズモン共鳴(SPR)検出や表面増強ラマン散乱(SERS)といった技術で利用されています。これらの検出プロセスにおける感度は、ナノ粒子周辺に閉じ込められる電磁場の強度に強く依存します。
局在表面プラズモン(LSP)を発生させることができる「金属ナノ円柱の配列構造」において、LSPは光の分散特性が限られているため、反応する光の波長(励起波長)を自由に変えることができません。
今回は、この周期的な配列の下に「均一な薄い金属膜」を追加することで励起される新しいプラズモンモード「ハイブリッド格子プラズモン(HLP)」を計算しました。このモードは、金属膜を伝わる表面プラズモンと、配列構造によるブラッグ波が調和的に結びつく(結合する)ことで生じます。HLPはLSPと同様にナノ円柱の周りに電磁場を強く閉じ込める一方で、その性質は伝搬するプラズモンに近いため、広い波長範囲で反応する光を調整(チューニング)できます。






